Webにおけるバナー広告の役割
ひとつは「押させる」ことで流入(トラフィック)を生むことです。
これこそ「みえる成果」であり、Web広告を出す一番の目的です。
でも、それだけではありません。
一方、「見せる」ことを主目的としたバナー広告も存在します。
この効果は「みえない」ものであり、計ることが難しいため、
出稿側の意図(施策シナリオ)が明確で無いと成立しません。
今回は、そんなバナー広告の活用法について掘り下げたいと思います。
消費行動の全体観を意識する。
まず、AIDMA(アイドマ)モデルをもとに考えてみましょう。
認知(Attension):1.「見せる」ことで商品に知ってもらう(ビジュアル)
興味(Interest):2.「読ませる」ことで興味を持ってもらう(文章)
欲求(Desire):1・2の中で商品をアピールして需要を喚起させる(コンテンツ力)
記憶(Memory):バナー広告そのものを記憶してもらう(親和性)
行動(Action):バナー広告を押してもらう(機能性)
このように、表現要素が沢山存在することを目の当たりにすると、
一つのバナー広告に対して上記のすべてを期待すること自体、
少々無理があると思えてきます。
ただし、あくまでもこれは一つのクリエイティブ上の話しであり、
一つで出来なければ、二つ以上でやればいい、という考え方も出来ます。
「押させる」という発想を捨ててみる。
冒頭に揚げた二つの役割のうち「見せる」施策は、
上記の「行動(=バナーを押させる)」プロセスを削ぎ落したものです。
つまい、「認知」「興味」「欲求」「記憶」にフォーカスした、
要するにビジュアル重視のバナークリエイティブを用意することを意味します。
この場合、如何にそのメッセージを「記憶」させるかが目的となるので、、
いかに大量のインプレッションを獲得させるかがキーとなります。
その上で、「行動」(※)に特化した別のバナークリエイティブも用意しておき、
その後の接触機会をさらに創り出すことで、前述の行動プロセスを完遂させます。
※ここでいう行動とは、クリックや検索、発信・共有(リアル/メール/SNS)などです
すべては「シナリオ」ありき。
所詮、バナー広告も数あるWebマーケティング施策の一つの手段にも過ぎず、
その使い方をきちんと理解した上で、如何に「シナリオ」に当て込むかが肝要です。
余談ですが、ある程度知識を持ったWebマーケターが陥りがちな行動として、
ツール類の進化に伴いWeb上の行動の多くが「みえる」が故に、
そこに真面目に取り組むほど、その効率性を求めすぎてしまうことがあります。
施策単位での成果追求自体が目的化してしまうことで、
本来達成したい成果や目標を見失ってしまっては元も子もありませんよね。
実際、そうなると正しいPDCAが回らなくなります。
全体像を忘れず、評価軸ともなる「シナリオ」づくりこそ大事にしたいものです。